代表者挨拶

胸部腫瘍臨床研究機構(Thoracic Oncology Research Group: TORG)とは、胸部悪性腫瘍(特に肺がん)に対し、多施設共同の臨床試験を遂行しながら、より良い治療の開発を目指す医師の任意団体(NPO法人)です。主として抗がん剤や放射線治療を用いて、新しい内科的治療の開発に積極的に取り組んでおります。

2005年の人口動態統計によると、わが国の肺がん死は年間6万人であり、全がん死32万人中、男性1位、女性3位、男女併せても第1位です。これだけ多いがんにもかかわらず、肺がんの治療成績は他のがんと比べ依然不良であり、難治がんの一つとされています。さらに、高齢化とともに高齢者肺がんの増加が近年目立っているのも、わが国の特徴です。

肺がんは治療方針の違いから、小細胞肺がんと非小細胞肺がんに分類されます。標準治療(つまり最適の治療を指します)の確立を単独施設で成し遂げることは大変困難ですので、診療レベルが一定水準以上の施設が共同して臨床試験を行い、より良い治療の確立を図る必要があります。TORGでは、肺がん診療に優れた施設が一致団結し、多施設で共同研究を行いながら、より良い治療の開発を行っています。

今までTORGは、再発小細胞肺がんに対するアムルビシン療法、高齢者進行非小細胞肺がんに対するイリノテカン療法、高齢者進行非小細胞肺がんに対するエスワン+ゲムシタビン療法などの臨床試験を行い、それらの結果を国際学会や海外専門誌に公表して参りました。また現在、TORGが実施中の臨床研究は、非小細胞肺がんに対しては、(1)日本人における至適術後補助化学療法の開発、(2)化学療法の効果を予測する遺伝子の同定(個別化医療)、(3)再発肺がんに対するエスワン+ゲムシタビン併用療法 (4)骨転移に対するゾレドロン酸の臨床試験、などです。また高齢者の限局型小細胞肺がんに対しては、(1)カルボプラチン+イリノテカン併用療法後の逐次胸部放射線治療の研究を行っています。以上の臨床試験を確実に遂行することにより、肺がんの治療成績が向上することを願っております。

TORGは、上述のように臨床試験の立案と遂行を積極的に行っていますが、臨床試験や学会活動を数多くこなしている医療チームは、一般日常臨床においても高い診療レベルを示すことは、がん関係のみならず医学全般において、よく知られた事実です。

もし肺がん患者さんやその御家族の方が、このTORGのホームページをご覧になられましたら、是非ともこのTORGに参加している医療機関に受診し、肺がん診療に精通しているTORGの医師に御相談されることをお勧めします。

またTORGは、一般市民、患者さんを対象として肺がん診療をよく知っていただき、正しい治療を受けていただけるように講演会を行っております。

その節は、当ホームページにご案内いたしますので、是非お誘い合わせの上多くの方にご参集いただきたいと思います。

どうぞTORGをご理解、ご支援賜りますようよろしくお願い申し上げます。

平成20年9月1日
TORG理事長 渡辺古志郎



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